機内での過ごし方と機内サービス

ハワイまでの飛行時間

成田空港からホノルル空港までの所要時間はボーイング777型機で約7時間、復路のホノルル空港から成田空港までの所要時間は約8時間です。航空会社の時刻表に表示されている所要時間は出発空港のゲートを離れてから到着空港のゲートに着くまでの時間ですので、実際に空を飛んでいる飛行時間はこれよりも少し短くなります。往路と復路で時間が異なるのは、上空で西から東に向けて偏西風(ジェット気流)が吹いているためです。偏西風は時速200kmになることもあり、それが追い風あるいは向かい風となるために飛行時間が変わります。

また、雷雲が発達していて飛行ルートを変更するとか、冬場に偏西風が強くなるとかの気象条件や使用する航空機の最高速度の違いでも飛行時間が変わってきます。成田空港と羽田空港ではそれほど差はありませんが、中部空港や関西空港などは飛行距離が長くなるので30分〜1時間程度余計にかかります。

成田空港で出発を待つ航空機
成田空港で出発を待つ航空機

ゆっくり休んで時差対策

日本からハワイに向かう飛行機(往路)は各地の空港を19時〜24時頃に出発し、日付変更線を越えて同じ日の午前中にハワイに到着します。日本時間にすると深夜2時頃〜朝7時頃になります。フライトは夜間飛行となり、時差(マイナス19時間)の関係で短い夜の後に朝が来るという感じになります。到着した日から万全の体調でハワイを楽しむためには、機内ではリラックスし、できるだけ睡眠や休養を取っておくことが重要です。

また、ハワイから日本に向かう飛行機(復路)は午前中から午後の早い時間にハワイを出発し、翌日(カレンダー上)の午後から夜にかけて日本に到着します。こちらは身体が活動している時間帯であるため往路ほどきつくはありませんが、機内での健康管理には留意したいものです。

消灯されたハワイ行きの機内風景
機内が消灯されたらなるべく休養を

飛行機に乗る時の服装

機内の温度は24℃前後に保たれていますが、往路は夜間飛行のためか、肌寒く感じる方も多いようです。状況に応じて着たり脱いだりできるカーディガンのようなものを用意しておくといいでしょう。各座席にはブランケット(毛布)が用意されていますが、エコノミークラスのものはあってないような薄いものであまり役に立ちません。日本が夏の時期に出発する場合は長袖を忘れやすいので、現地での冷房対策も兼ねて薄手の長袖を用意しましょう。女性の方はスカートよりもパンツの方が冷えなくて済みます。

座席に着席している間は、靴を脱いでおくと決行が良くなりますし、足先に開放感が生まれてリラックスできます。

乾燥対策と水分補給

機内の空気はとても乾燥しており、目に見えないホコリも多いものです。涙タイプの目薬やのど飴、マスク、リップクリームなどを持っていると役に立ちます。アレルギーがある方やコンタクトレンズの方は特にケアが必要です。また、肌も乾燥しますので、女性や乾燥肌の方は保湿を心がけましょう。

飛行中は適度な水分補給が必要です。のどが渇く前にミネラルウォーターやスポーツドリンクなどで水分を補給するようにしましょう。但し、炭酸飲料やカフェインの多い飲み物、アルコール類の摂りすぎは逆効果になります。機内ではエコノミークラスでもミネラルウォーターの小さなペットボトルが配られていますが(LCCなど一部の航空会社を除く)、搭乗する前に空港の売店で買っておくと安心です。但し、液体類はセキュリティチェックで没収されるので、出国手続き後にゲート周辺の売店で購入しましょう。

エコノミークラス症候群について

ビジネスクラスの機内
ビジネスクラスでもエコノミークラス症候群になります

エコノミークラス症候群とは、航空機の狭い座席に長時間座っていることで、下肢(太ももの裏側)の静脈に血栓ができる症状です。この血栓が血管内を移動し肺の血管を詰まらせると、胸の痛みや呼吸困難が起こり、最悪の場合は死に至ります。正式には深部静脈血栓症とか急性肺動脈血栓塞栓症という病名ですが、エコノミークラスの乗客がフライト中や目的地に到着した後に発症することが多いので、エコノミークラス症候群と呼ばれています。

しかしながらビジネスクラスやファーストクラスに搭乗していれば発症しないというわけではなく、飛行機に長時間乗っている方はすべて注意が必要です。特に、40才以上、肥満、下肢静脈瘤、下肢や腹部の手術・ケガ、悪性腫瘍、凝固能異常(血が固まりやすい)、経口避妊薬を使用、妊娠中、出産後などに該当する方は注意が必要です。

エコノミークラス症候群の予防法は、乾燥した機内で水分が失われて血液が濃くならないように頻繁に水分を補給することと、座席で運動したり機内を歩くことによって同じ姿勢でいることを避け、血流をよくすることです。具体的には次のポイントを参考にして下さい。

  • ミネラルウォーターやスポーツドリンクなどを1時間に100cc程度は補給する。
  • 搭乗前からタバコやアルコールを控える。
  • トイレに行きやすい通路側の席を確保する。
  • 座席で膝を持ち上げたり、踵やつま先の上下運動、足のマッサージなどを行う。
  • 時々、席を立って機内を歩く(シートベルトサインが消えている時に怪しまれない程度に)。
  • ゆったりとした服装でリラックスする。

座席に着いたら

座席に着いたら、機内持ち込み荷物をオーバーヘッドビン(頭上の荷物入れ)または前の座席の下に入れます。壊れやすいものなど特別なケアが必要なものを持っている場合は、客室乗務員に預かってもらいます。また、頻繁に使用するものは前の座席のポケットを利用すると良いでしょう。オーバーヘッドビンを開けるときは、飛行中に荷物が動いて落下しやすくなっていることもありますので、十分に注意してください。

荷物を収納したら、自分の席のブランケット、枕などが備わっているか確認します。着席したらシートベルトの長さを調節してバックルを留めてみます。前の座席のポケットには機内誌や免税所ピングのカタログなどが入っています。米系の航空会社でも英語版のほかに日本語版の機内誌が用意されているでしょう。また、座席前のポケットには緊急時の脱出方法などを説明するカードも入っています。離陸前に客室乗務員からも説明がありますが、ひととおり目を通しておきましょう。エコノミークラスのライフベスト(救命胴衣)は座席の下にあります。子供用のライフベストは客室乗務員が持ってきてくれます。

座席上部の送風口(小さな丸い突起状のもの)から風が出ていて寒い場合は、右に回すと止まります。

シートベルトの着用

シートベルトは自分の身体の安全を守るためのものです。シートベルト着用のサインが点灯していないときでも、着席しているときはシートベルトを緩く締めておくことをおすすめします。予知できない急激な乱気流などにより突然、機体が急降下することがあります。そのような場合にシートベルトをしていないと、天井に頭を打ち付け大ケガをする可能性があります。乱気流がらみの事故は世界各地で度々発生しています。

シートベルト着用のサインが点灯したら、速やかに座席に戻りましょう。点灯中は席を立ってトイレにいくこともできません。また離着陸の際はシートベルトをしっかり締め、座席のリクライニングやテーブル(ビジネスクラスやファーストクラスではフットレストも)を元に戻します。飛行中にブランケットをかけて眠る場合は、ブランケットの上からシートベルトを締めると、客室乗務員が確認しやすくなります。

機内での電子機器の使用と充電

搭乗してから飛行機のドアが閉まるまでは、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、ゲーム機などの電子機器は自由に使って問題ありません。飛行機のドアが閉まったら、ノートパソコンなど大型の電子機器は電源を切ってオーバーヘッドビン(頭上の荷物入れ)や座席のポケットなどに収納しなければなりません。この時点で必ず機内アナウンスがありますので、ドアクローズになったことが分かります。携帯オーディオ端末、デジタルカメラなど電波を発しない小型の電子機器はそのまま使用できます。携帯電話・スマホなど電波を発信する機器は、機内モードに切り替えれば電源は切らなくても構いません。飛行機が離陸し水平飛行に移った後は、ノートパソコンを取り出して使用することが可能ですし機内のWi-Fiに接続しても大丈夫ですが、着陸態勢に入ったら再び電源を切って収納します。飛行機が着陸して地上走行に移るとアナウンスがありますが、その時点から機内モードを解除して通話やネット接続が可能になります。

座席には電源コンセントやUSBポートが設置されていますので、電子機器の充電を行うことができます。エコノミークラスではひとつのコンセントを複数の席で共用する場合もありますし、航空会社や機材によっては備わっていない場合もあります。多くの航空会社では搭乗からドアクローズまでの間と水平飛行中に充電(接続)が可能で、離陸時・着陸時はケーブルを抜かなければなりません。

機内サービスの流れ

長時間飛行する国際線の機内サービスは楽しみなものです。ハワイ線では飛行機が離陸して水平飛行に移ると、飲み物やスナックのサービスがあります。続いて夕食が提供されます。夕食の後、機内は消灯されますが、免税品の機内販売があります。免税品を購入する場合は、カタログの中から欲しいものを客室乗務員に伝えると席まで持ってきてくれます。支払いにはクレジットカードが使えます。到着の120分〜90分前になると朝食のサービスがあります。

機内食

機内食
機内食(イメージ)

ハワイ行きの飛行機は夜に出発するので、最初の機内食は夕食として出されます。ファーストクラスやビジネスクラスではそれなりの食事が提供されますが、エコノミークラスの食事はあまり期待しない方がいいでしょう。最近ではエコノミークラスでも有名レストランとコラボした食事が提供されることもありますが、機内食は機内食なので美味しいものに当たったらラッキーと思っているぐらいがいいかもしれません。エコノミークラスの食事はビーフ、チキン、魚、パスタなどの中から2種類用意されていて、どちらかが選べるようになっていますが、座席が後ろの方だと片方しか残っていないこともあります。一般にアメリカの航空会社より日本の航空会社の方が食事が美味しいと言われています。

お子さん連れの方でチャイルドミールを希望される場合や健康上の理由や宗教上の理由で食事に制限のある方の特別メニューは、出発前にリクエストしておくことが必要です。詳細は各航空会社で確認してください。

機内食は飛行時間に合わせて提供されるので、日頃の食事の時間とズレてきます。気になる方は搭乗前に食事を済ませるなどして、機内食を食べないという選択肢もあります。シートが独立したビジネスクラスでは、離陸から着陸までひたすら眠って(休んで)いらっしゃる方も多く見かけます。

飲み物はソフトドリンクの他にビール、ワイン、ハードリカーなどが揃っていますが、一部の航空会社ではエコノミークラスのアルコールは有料となっていて、1杯6ドル前後です。ビジネスクラスやファーストクラスになると、ワインやシャンパン、ウイスキーなどが上質なものになっていきます。たくさんお金を払った人には良いものを提供するという見本のようなものです。ハワイへ到着後にレンタカーを運転される方は、飲酒は控えめにしましょう

なお、エアアジアX、スクートなのどLCCでは、食事も飲み物も有料で販売されています。

機内食の朝食(イメージ)
機内食の朝食(イメージ)

エンターテイメントシステム

機内ではエンターテイメントシステムで映画や音楽、ゲーム、エアショー(飛行地図)を楽しむことができます。エコノミークラスでは前の座席の後ろに数インチ程度のモニターがあり(最前列は肘掛けの下から引き出すタイプ)、ビジネスクラスやファーストクラスでは大型のモニターが設置されていますが、エンタテイメントシステムは全クラス共通で同じプログラムです。映画だけでも数十種類はあり、最新作、アクション、コメディ、ドラマ、アニメなど様々なジャンルから見たい作品を探すことができます。アメリカの航空会社の場合、日本未公開の作品が多くあり、話題の新作を一足早く鑑賞することができるかもしれません。どんな映画があるかは事前に航空会社のホームページで確認することができます。

ゲームのコントローラーは肘掛けの下やモニターの下から引き出すことができますが、エコノミーの画面だとちょっと見づらいかもしれません。システム共通のヘッドセットは座席の前のもポケットかシートにあります。また、ハワイ線では日本経済新聞の海外印刷版など日本語の新聞が配布されることもあります。

なお、エアアジアX、スクートなのどLCCでは、エンタテイメントシステムはありません。

機内エンタテイメントシステムのエアショー
エアショーでどの辺りを飛行しているか確認できます

免税品販売

1回目の食事のサービスが終了すると、機内で免税品の販売が始まります。客室乗務員が免税品を積んだカートを押して機内を回るか、カタログを手に注文を取って回ります。座席のポケットに免税品のカタログが入っているので、欲しいものがあったらオーダーします。販売されている商品の中には機内でしか購入できないレアものもあります。支払いは、クレジットカードでも現金でもOKで、米ドルも日本円も使えます。免税品の販売は往路も復路もありますが、入国時に免税範囲を超えると課税されます。

入国に必要な書類の記入

ハワイへ向かう往路の機内では米国の税関申告書(Customs Declaration)が配られます。税関申告書は1人1枚必要ではなく、1家族につき1枚となっています。パスポート番号、滞在先のホテル名などが必要ですのでボールペンと一緒にすぐに出てくるようにしておくといいでしょう。書き方が分からなければ、座席ポケットに入っている機内誌の後ろの方に記入例があります。

ちなみに入国審査時にAPC Kiosk(自動入国審査端末 Automated Passport Control)を使用する場合は、税関申告書の質問を端末で回答することになりますので、機内で記入した税関申告書は不要になります。最近はAPC Kioskでの入国審査が増えていますが、到着便が集中してイミグレーションが混雑している場合など有人窓口での審査になりますので、念のため記入しておいた方がいいでしょう。

アメリカの税関申告書
アメリカの税関申告書、日本語のものもあります

以前あった出入国カード(I-94W)は、ESTA(電子渡航認証)の導入により廃止されましたので、現在は必要ありません。

日本に帰る復路の飛行機では携帯品・別送品申告書(税関申告書)が配られます。携帯品・別送品申告書も1家族につき1枚です。空港のバゲージクレームにも申告書がボールペンと一緒に置いてありますので、狭い機内で書くのが面倒であれば、荷物が出てくるのを待っている間に記入してもいいかもしれません。

機内は全面禁煙

飛行機の中は全面禁煙です。トイレの煙探知機に紙コップを被せるなどして喫煙する方も稀にいますが、匂いなどで必ず発覚します。喫煙が発覚すると喫煙者を当局に引き渡すために飛行機が引き返すこともありますし、米国連邦法違反で逮捕されることもあります。逮捕されるのは自業自得ですが、飛行機が引き返したりすると他の乗客に多大な迷惑をかけることになりますので、機内禁煙は必ず守ってください。

飛行機の窓から見る夜明け
窓の外が明るくなってきたらハワイまであと少しです

ハワイ旅行の準備 関連情報

出発から帰国まで 関連情報