ビーチで安全に楽しむために気をつけたいこと
頼りになるライフガード
ワイキキビーチやハナウマベイなど主要なビーチにはライフガードが常駐しており、ビーチでの安全を守っています。ライフガードはホノルル市などに採用された公務員で、警察官や消防隊員と同じような職業です。サーファー界のレジェンド、バッファロー・ケアウラナやエディ・アイカウもライフガードの出身です。ライフガードは担当するビーチの地形や潮流などを知り尽くしているので、初めて訪れたビーチでどこで泳げばいいか分からない時や危険な場所を知りたい時には相談すると教えてくれます。ライフガードの指示には必ず従いましょう。岩場で足を切ったりクラゲに刺された場合などの応急処置も彼らがやってくれます。訪れたビーチにライフガードがいるかいないかは、ライフガードタワーがあるかどうかを確認すると分かります。ライフガード常駐のビーチであっても曜日や時間帯によってはライフガードがいないこともあります。ライフガードタワーがあってライフガードが勤務していない場合、「NO LIFEGUARD ON DUTY」とか「LIFE GUARD OFF DUTY」のサインが掲示されています。
ビーチに掲出してあるサインを理解する
ビーチには安全のため様々な標識やサインが掲出されています。英語がわからなくても標識に描いてある絵を見れば理解できるものもあります。事故を避けるためにも、これらの内容を認識し、その可能性がある場合は近づかないようにしましょう。主な標識の意味は次の通りです。
- STRONG CURRENT
- 速い潮の流れ、強い潮の流れに注意
- RIP CURRENTS
- 離岸流(沖に向かう流れ)に注意
- HIGH SURF
- 高波に注意
- SLIPPERY ROCKS
- 岩場が滑りやすいので注意
- DANGEROUS SHOREBREAK
- 波打ち際でブレイクする波に注意
- SUDDEN DROP OFF
- 急に深くなるので注意
- WAVES BREAK ON LEDGE
- 岩棚に波が被ることがあるので注意
訪れるビーチの地形や潮流を事前に確認する
ハワイのビーチはエリアや季節によってそれぞれの特徴があります。ワイメアビーチやサンセットビーチなどノースショアのビーチは夏場は穏やかですが、冬になると高波が押し寄せます。ワイキキビーチやハナウマベイなど島の南側のビーチは夏の方が波が高くなります。また、海底にサンゴ礁や岩礁が多くてケガをしやすいビーチ、急に深くなっているビーチ、潮の流れの速いビーチなど千差万別です。訪れる予定のビーチを事前にグーグルマップで見てみたり、ネットで情報収集したりして、どのような場所で何に気をつければ良いか調べることをお勧めします。ライフガードがいるビーチでは彼らに質問するのもいいでしょう。
離岸流に巻き込まれた場合の対応
離岸流とはその名の通り、ビーチから沖合に向かう潮の流れです。発生する地形やメカニズムによって、リップカレントとかリーフカレントと呼ばれていますが、ビーチに向かって打ち寄せた波(海水)が特定の場所を通って沖に戻っていくものです。離岸流に乗ってしまうと、勢いよく沖に向かって流されてしまうので焦ってしまいますが、この時に流されないように離岸流に逆らって泳いではいけません。川の流れに逆らって泳ぐのと同じで、体力を消耗するばかりで前には進みません。離岸流の幅は広くても20メートルぐらいのことが多いので、岸と平行に泳いで離岸流から抜け出すことを第一に考えます。離岸流を抜けた後で岸に向かう流れに乗って泳げば、安全にビーチに帰ることができます。離岸流が発生する場所は、他の場所に比べて波が立っていない場所やリーフ(岩礁やサンゴ礁)の切れ目です。ちなみにサーフィンやウインドサーフィンで沖に向かう場合は、離岸流に乗っていくと比較的楽に沖に出られます。
子供から目を離さない
ハワイでは12才以下の子供を部屋に残して外出したり、一人で買い物に行かせたりすると逮捕されてしまいますが、ビーチではそれ以前に大きな危険が伴います。波打ち際から少し離れたところでお砂遊びをしていても、突然大きな波がやってきて波にさらわれてしまうこともあります。浅瀬で浮き輪に浮かんでいても、ワイキキビーチのように混雑した場所では見失ってしまうこともあります。子供連れでビーチに出かける時は、片時も目を離さない、子供だけで行動させないようにしてください。特に年齢差のある複数の子供が一緒の時は小さな子に注意が集中しがちですので、気をつけましょう。
犯罪に巻き込まれないための心構え
ハワイのビーチで最も多い犯罪は窃盗・盗難です。オアフ島東部のワイマナロビーチや西海岸のビーチなどでは、周辺の治安が良くないので窃盗や強盗に遭うことあると言われています。確かにそのような場所で事件も発生していますが、件数的にいちばん多いのはワイキキ周辺のビーチでの置き引き(盗難)です。ビーチに残した荷物から貴重品を盗むだけでなく、ホテルのカギを盗んで部屋を荒らすという手口もあります。ビーチに出かける時は、貴重品を持って行かない、誰か荷物番がビーチに残って荷物を無人で放置しない、ホテルのカギや貴重品は防水ポーチなどに入れて身につけておく、といった対策をお勧めします。
郊外のビーチにレンタカーで出かける時は、車上荒らしが多いので車の中に荷物を残さないようにしましょう。外から見えないトランクに荷物を入れておく方法もありますが、駐車場は人目に付かないことが多く、ロックを解除されたり、窓を割られたりして車内のものを盗まれる事例が頻発しています。車内に何も残さないのがベストです。車の装飾や雰囲気からレンタカーは何となく判ってしまうものです。ダッシュボードに地図やガイドブックが置いてあったりすると、旅行者だとバレてしまい狙われやすくなります。気をつけたいものです。
ヨコハマベイなど人の少ないビーチに行く時は、窃盗以外の犯罪にも注意したいものです。女性だけのグループはなおさらです。誰もいないビーチでプライベートビーチ気分を味わうのは楽しいものですが、常に周囲の状況に目を配っていましょう。犯罪グループに拉致されたり、ビーチのトイレでレイプされた事件も発生しています。
暗くなってからのビーチはたいへん危険です。サンセットを見に行って余韻を楽しんだりする時は、人の多い安全な場所を選びましょう。たとえワイキキであっても夜のビーチでは人目に付かない場所が多く、暗がりで強盗に遭う可能性もあります。
サメやクラゲに注意する
ハワイ諸島の近海には様々な種類のサメが棲息しており、その中には人間を襲うサメもいます。毎年、ハワイ各島のビーチでもサメの目撃情報があり、そのような場合にはビーチが閉鎖されることもあります。サメの種類によっては、人の背が立つような浅いところにもやってくることもあるようです。自然の生き物が相手なので対応は会わないことを祈るぐらいしかありませんが、目撃情報には注意しましょう。また、サメよりも気をつけたいのはクラゲです。ワイキキ水族館にも多数展示されていますが、ハワイ近海のクラゲの中には刺されると身体が痺れたり、大きく腫れるものがいます。クラゲが大量発生すると、クラゲ注意報が出ますのでチェックするようにしましょう。