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まっきょんさんのハワイ島旅行記
     
 
その2:神秘なるワイピオ渓谷

 太陽がとてもまぶしい。これがハワイの日差しだったなと改めて感じた。入国手続きをするテントに向かう。このテントはモンゴルのパオを思い起こさせるようなテントでここで入国手続きするの?っていう感じだ。
 入国手続きが終わり、レンタカーを借りるために事務所をさがす。コナ空港の場合はとても小さい空港なのでレンタカー事務所がすぐそばにあると思っていたが、やっぱりシャトルバスがあるらしく、3分ほど待つと僕らのアラモレンタカーのバンがやってきた。
 そこの運転手さんの陽気なこと。「Do you like music?」、 ハーモニカを吹き、自分の家族の話をするし、ほんの1分くらいで充分印象に残りました。ありがとう。
 レンタカーは比較的容易に借りることが出来た。なんでも日本の免許証だけでも運転できるらしい。僕らはわざわざ大宮まで国際免許証を取りに行ったけど、ハワイではなくてもいいらしい。
 指定された車に乗ってゲートから出ようとしたら、やけにでかい黒人に呼び止められて、結局ぼろい3ドアの車に変えさせられてしまった。むこうの手違いだったみたいだった。まったくもう。さっきの車のほうが良かったなと思うことがこの先何回もあった。

 さて、はじめての外国での運転である。かみさんには助手席で常に右側通行を監視してもらうこととした。Keep Right!空港から出て早速北へと向かう。ワイピオまでの道のり約60マイル(1マイルは約1.6km)。周りは溶岩台地で左手には一面の海が見える。何と景色のいいことでしょう。
 しかし、慣れない右側通行のせいか車体がゆれるし、対向車が来るとどうしても怖くて右に寄りすぎてしまう。特に大型トラックと猛スピードですれ違うときが恐ろしい。だって中央分離帯が無いんだよね。スピードもみんな余裕で70マイル/h。でもきもちいい。
 ワイピオまでの道のりは日本にいる時に頭に叩き込んできてあるから道に迷うことはなかった。いやそもそもハワイ島ではメイン通りが少ないし、交差している箇所も少ないからわかりやすい。
 その一方、地図にはでかでかと書いてあるお店とか目印が実はすごく小さなものだったりする。そこら辺がちょいと難しいところだろうか。

 北に行くに従いさっきの溶岩地帯とは打って変わったように緑の牧場が広がっていく。この辺は個人の牧場としては世界一の広さを誇るパーカー牧場だ。また、北部のこの風景はハワイの火山が北西から南東に移動しているという事実を実感できる時かもしれない。途中ワイメアという小さな町でご飯を食べることとした。
 実をいうと、日本からお弁当を持ってきていたのだ。おにぎり(ちまき)とか、お茶とか入れた発砲スチロールの箱を風呂敷に包んで入国手続きをしたときは、随分と不思議がられ、「This is Japanese ONIGIRI!」。入国審査官がアルミホイルに包まれた三角形の物体を理解するのに時を要したようだったが、やっぱりお弁当を持ってきて良かったと思った。
 しばらく日本食は食べられまいから。このことは、旅の後半になって痛感することとなる。ご飯を食べたあとに一路ワイピオに向かう。

 「ワイピオ渓谷」。この響きはいつごろからこんなに魅力的なものに変わっていったのだろうか。もともと、まきおにとって火山以外の魅力をハワイ島には感じていなかったが、あるとき写真で見たこの渓谷は、まきおを魅了するのに十分であった。古代のハワイの王族達はこの場所にある種の霊力を感じていたらしい。
 ワイピオ渓谷に到着した。天気がとてもよかった。展望台の下には白い波が砕けている黒砂海岸があり向かい側にも高い崖が突き出している。なんでも300-400mの絶壁らしい。景色が絶景だ。美しい。
 空港で見た溶岩地帯と緑と谷と川に包まれたワイピオ渓谷を対比させ、この地に神秘的な思いを描いた古代人の気持ちがわかるような瞬間だった。
 ワイピオ渓谷を背中に一路ポロル渓谷に向かう。
 そういえば、ここでまで話してきて、ハワイ島の地理関係がわからなくなってきているからちょっと整理してみる。ハワイ島を大きなカメに例える、頭が北、お尻が南という感じ。それでコナ空港はカメの左手でワイピオ渓谷は右肩あたりになる。ポロル渓谷はちょうどカメの頭の右側のあたりだろうか。
 山道をぐんぐん上がっていくと、ひたすら牧場が広がっている。いったいどこからどこまでが牧場なのかはっきりしないくらい広いところだ。途中ででっかいサボテンが沢山あったり、面白い顔の牛がいたりと楽しいひと時、左手に見える海が綺麗やったわ。

 途中からかみさんと運転を変わって、カメの頭の先の部分にあるカメハメハ大王像の前までやってきた。ハワイ諸島には沢山のカメハメハ大王像があるらしく、僕もワイキキ近辺で見た様な気はしていたが、何を隠そうこいつが本物らしい。そんなことはまま、どうでもいい話で、像の前で写真を1枚。
 近くに居たおばさんに「このMonumentはいつごろできたの?」って聞いてみたら、「これはStatueだよ」って言われてしまった。まま、それはいいとして、なんでも作られたのは19世紀らしい。生まれたのはこの付近だったんだね。

 トイレを済ませてから、ポロルへ向かった。やっぱり熱帯雨林的な(熱帯雨林とはどういうものかよくわからんが)木が生い茂るなかに道が走っており、またまたここが火山島であるという事実を忘れてしまう。
 いよいよ道が行き止まりになった。ポロル渓谷である。駐車をして外に出るといきなり馬が2頭あるいていた。この辺りでは馬を飼っている人も多いみたいだ。間近で馬を見る機会なんてあんまり無いから思わず見惚れてしまった。好奇心旺盛なかみさんが馬に近づいていったら、番犬が睨みを利かせてこっちに向かってきそうな雰囲気だったので。とりあえず止めにした。
 この渓谷も、見た感じはワイピオに似ていて、切り立った崖が幾重にも海に落ち込んでいる光景を見ることが出来る。せっかくだから、ちょっとトレイルを歩いてみることにした。どうやら、下の海岸まで続くらしい。沢山の人とすれ違ったけど不思議なことに日本人とは出会わなかった。
 結構年配の人が元気に歩いていて、丈夫だなと思うと同時に、日本でもおじちゃんおばちゃんが山に登っているからと妙に納得してしまった。
 20分くらい下ったところは両側を崖に挟まれた、まさに「谷」と形容するにふさわしいところだった。風の谷のナウシカなんちゃって。そして一面に黒砂海岸が広がる。黒砂にじかに触れるのは初めてだったため、早速サンプリング。ホント真っ黒である。深い谷の下で黒砂と真っ青な海に天気の良い空、なんだか時間の流れがゆっくりになったような気分になる谷であった。

 ポロルを後にしたら一路今夜からの宿泊場所「カイルア・コナ」に向かう。ここはちょうどカメさんの左手したくらいだろうか。渓谷のトレッキングや時差ぼけ、睡眠不足そして空腹感でちょっとした疲労感を覚えて、車では眠くて眠くて仕方なかった。
 とにかくホテルに行って、美味しいご飯をたべて、眠りに尽きたいという欲求だけが車を走らせているようだった。右手に見える全米で最も美しいビーチといわれるHapunaビーチやヒルトンとかがあるリゾート地などを横目にして一目散にコナへと向かった。
 そうそう、夜になって暗くなってからの車の運転は極力避けたいという思いがあったからね。しかし、コナに着いたのは夕方の6時前くらいだったけど、十分明るかった。後からわかったことだが、日が沈むのは7時くらいみたいだった。泊まるホテルは「キングカメハメハ・コナ・ビーチホテル」というところ、なんでもカメハメ大王とかかわりがあったらしい。よくわからん。

 その夜はとりあえず日本食が食べたいということで、ガイドブックに載っている某カフェにでかけ、親子丼を所望した。うん、これはまま、思ったよりはいけるかもしれないね。でもこれじゃ野菜が足りないねということで野菜炒めを頼んだ。野菜炒めを頼んだのにしっかり、ご飯もついてきた。しかもサイズは大レヴェル。そして肝心の野菜炒めは……、ソース付けにされて味がお世辞にも美味しいとはいえないもので疲れた体に更なる疲労感を呼び起こした。

 つらい。翌日は火山を見に行くということで早く寝なければ。
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