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まっきょんさんのハワイ島旅行記
     
 
その1:まきお なぜかハワイ

 駅を出発したのは、午後2時くらいだった。それで成田に着いたのはその4時間〜5時間後。日暮里から京成電車でいったこともあり遠いな。それにしても東京の国際空港は東京から遠いなと改めて感じる。自分は飛行機には滅多に乗らないけど、よく利用する人にとってはこれも苦痛の種に違いない。だいたいホノルルまでだって6時間くらいで着くのに、いったいどうなっているのやら。

 成田空港の中には色々なお店とかがあって、時間をつぶすことはできた。マックで軽くスナックをしてからも、日本のお土産屋さんをブラブラと物色をつづけた。搭乗時間は20:30。JALのコナ直通便である。それにしても、うちらは早く着きすぎたらしい。1時間以上は搭乗入り口でウダウダしていた。慣れてないから、こういうのはどうも緊張して早めに着てしまうところがある。こんなことなら会社の午後休を使わなきゃ良かったかなとか思った。
 とりあえず向こうに着くのは朝だし、到着するやいなやレンタル自動車で島の北部を回る予定であった。以前オアフに行った時は到着してひどく眠かったし、睡魔で死にそうな思いでホテルのチェックインを待っていた記憶があった(世の中にアーリィーテェックインというのがあることを聞いてあとで驚いた)。しかし今回の旅はそんなのんびりしたものではない。そう、もはや新婚旅行ではないのだ。

 ハワイ島はオアフ島に比べてひろい。ビッグアイランドと呼ばれているくらいであるから、目的地まで行くのにひどく時間がかかりロングドライブを覚悟しなければならない。しかも、まきおは海外では初めてのドライブだ。右側通行に左側ハンドル、どれをとっても緊張感はぬぐえない。しかも日本人の時差ぼけによるハワイでの交通事故の紹介等の記事も目にしたことがあったから、なおさらの思いであった。
 どうしても機内では寝る必要がある。できれば6時間、最低でも3時間は確保したいと感じていた。しかし、そういうときこそ眠れないのだ。昔からそうだった。遠足の前の晩とか、寮の自炊当番の前夜・朝早く起きてどこかに行かなきゃいけないときとか、たいてい眠れないという現実も意識していた。

 予定時刻に搭乗。そういえば、ボーディングパスをもらうときにJALのカウンターの女性に「いい席にしてほしい」といったところ、「具体的にどの席をお望みですか?」と愛想もなく聞かれてしまったため、「窓側がいいです」
とだけ答えたが、後で考えてみると足が伸ばせる非常口手前の座席がいいことがわかった。
 それはともかくとして、座席についてみると、周りの席はけっこう空席が目立つ。GWの少し前だからだろう。特に中心列群にある座席で4人がけのところがまるまる空いていたので、機内夕食を食べた後は、あそこを独占して横になろうと考えていた。
 ところが、離陸が終わってシートベルトをはずしてよいというアナウンスがあるやいなや、1人のおばちゃんがごぞごぞとやってきてい4人がけのシートをほぼ独占!しかも枕および毛布も己のものとし、いきなり横になった(おばちゃんは機内食が来るやいなやムクリと起き上がり、平らげた模様)。その動作までが,あまりにも速かったためあっけにとられてしまった。
 やはり食事をしてからとか思わずに、チャンスがきたらすぐさま行動に移さないと欲しいものは取られてしまうんだと痛感した。そしてその思いは、おばちゃんがいびきをかいて寝ている傍らで、寝返りも打てずに寝られずに苦しんでいる自分の姿を認識するにしたがい強くなっていった。

 そういえば、ここのスチュワーデスさん達を観察してみると、日本人の他にタイの国の人も混じっている感じだった。学生のころ欧州に貧乏旅行したときは、スチュワーデスさんと話せて喜んでいた自分が懐かしかった。ま、そんなことはどうでもいい。

   

 何時間寝たことだろう、2時間位かな?いつの間にか閉められていた窓のシャッター隙間から光が毀れていた。そっとシャッターを開けて窓の外を見てみると、そこはもう青い海の世界だった。はるか下のほうに島が見える。もうハワイ諸島上空かと思ったが、あとから考えてみるとあれはミッドウェイ島だったのではないかと思った。
 その後立て続けにカウアイ島、オアフ島と見えてきた。とくにオアフ島のダイヤモンドヘッドおよびワイキキビーチに立ち並ぶ高層ホテル群も目にとまり、懐かしい思いがした。
 モロカイ島、マウイ島をあとに飛行機は東南に進みやがて大陸を思わせるようなハワイ島が目下に見えてきた。黒い大地に紺碧な海。4200mを誇るマウナケアの姿は雲に覆われていて見ることが出来なかった。
飛行機は200年前に目前のフアラライ山から流れ出た溶岩の上に造られたというコナ国際空港へ静かに着陸した。
 そう・・ついにまきおはハワイ島にやってきたのだ。
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