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DFS、ライセンス料金引き下げを申請。

 DFSハワイ社(ハワイ免税品店)が8月下旬、景気回復の遅れから州政府(ホノルル国際空港)へのライセンス料の更なる引き下げを申請した。DFSは8月現在でライセンス料1,800万ドルの滞納を抱えており、市場回復のメドがつかないことから空港当局へライセンス料の更なる引き下げを申請したもの。
 DFSは政府公認免税品店として空港でのライセンスを独占、一時は5年間の契約期間に25億ドルのライセンス料を支払ってきた(同料金は空港内の店舗のリース料金を含んでいる)。
 90年代になって、DFSの90%以上の顧客と言われた日本人客が減少し、売上げも激減した。従来のようなライセンス料の支払いが不可能になったDFSは、大幅なライセンス料削減交渉を空港と行い、新契約に合意した。新契約は1年6千万ドルの最低料金に、一定額以上の売上げの場合は一定の%を上乗せするとなっていた。
 去年の9.11テロ事件後の日本人市場は更に減少の一途を辿り、DFSは更なる被害を受けた。空港当局は空港内のテナント料金の大幅な削減を実施した。DFSも空港内店舗は売上げの22.5%、その他の系列店舗は30%をライセンス料として支払う特例の施行を言い渡された。しかし、同措置でもDFSはライセンス料の支払いに追いつかなかった。そして同措置は4月30日で期限が切れた。
 DFSは9.11以降、社員数を50%削減、残った社員も労働時間を20%削減し経営努力をしてきたが、日本人客の回復は一向にみられず、遂にライセンス料も1,800万ドルも滞納することになった。このままでは会社運営のメドが立たないとライセンス料の再度の見直しを空港当局に申請した。
 ホノルル国際空港のミナアイ所長は、「9.11以後の空港テナントの営業成績を注意深く見守ってきた。4月30日で満期となった特別料金で各事業はそれなりの恩典を受けたと思う。売上げにスライドするライセンス/リース料金だけでは充分でない事業が多い」と、料金の再度の見直しはやむ得ないのではないかと同情的。
 「9.11以降の空港ロビーには搭乗券所有者しか入れないことになった。見送りの地元民がロビーに入れなくなったのも売上げダウンに拍車をかけています」(土産店オーナー談)。
 テロ対策に空港内警備が強化され、チェック・イン・タイムも早くなったことで、ロビー内の店舗運営が大幅に変わった。「搭乗客の待機時間が長くなった今、ウチで時間をつぶす人が多くなった」とは、空港内の飲食店を独占するH・MSホスト社のアラン・ヤマモト総支配人。9.11以前の数字には達していないが、それに近い売上げを上げていると言う。
 DFSのシャロン・ワイナー副社長は今回の窮状について、「長年この仕事に従事してきたが、今度のように先の読めない状況は今までにはなかった。日本人客に依存するところが大きいホノルルの免税品店だから、日本人客の動向を見極めればよい訳だが、それが読めない。3年先なのか、5年先なのか……」と語る。
 去年は前年度比で31%減、今年も低い去年に比べて更に3%減の売上げ減少、延命策として再度のライセンス料見直し申請理由を提出している。
 ホノルル国際空港は州運輸局内の独立精算機構である。あらゆる収入減少は空港運営に影響してくる。空港内のテナント料が収入の3分の2を占めているだけに、そのしわ寄せが航空会社に、航空会社は乗客に回すことになるだろうと市場コンサルタントは述べている。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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