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リングル共和党候補が大差でリード、次期州知事選世論調査。

 ハワイの次期州知事選の最新の世論調査の結果、政権奪還をねらう共和党のリンダ・リングル元マウイ郡長が、大差で民主党候補をリードしていることが分かった。
 同世論調査はハリス・ホノルル市長が州知事選断念を発表して4日後の6月3日〜6日の間、ホノルル・アドバタイザー(英字)紙がハワイ州有権者600人の意識調査をしたもので、その結果、リングル候補が3人の民主党候補に32ポイントから15ポイントと大きく水をあけていることが分かった。
 州知事選には誰に投票するかという設問で、一番大きくリードされたのはアンディ・アンダーソン氏で、リングル氏の53%に対し、アンダーソン氏は21%とその差は32ポイント。最も接近しているのはメイジー・ヒロノ現州副知事の32%で、リングル氏の47%との差は15ポイント。エド・ケース氏の場合は24%でリングル氏の50%に比べ26ポイントの差となっている。
 「一度は州知事選を断念したヒロノ副知事が、他の2候補をリードしているということはヒロノ氏の強さを物語っているのか、他の2候補が弱すぎるのかのどちらかだ」と、ある政治通。
 「ヒロノ氏の支持層は今がピークです。それに比べると私の支持層は伸びています。このまま選挙運動を続ければ、多くの民主党支持者は予選までにケース支持に変わってくるはずだ」と、現在の調査結果に逆転勝利のシナリオを描いているのがエド・ケース氏。
 前回調査(今年2月)では51%の知名度しかなかったケース氏だが、今回は68%と17ポイントも伸びていることに逆転劇はあり得るとしている。
 今回の調査で最も低い支持率を示したアンダーソン氏は、「今の段階での支持率は気にしていません。選挙戦はこれからです。まだ4か月もありますからネ」と、コメントしている。
 現段階で15ポイント以上のリードをしているリングル氏は、「ああ、そうですか。嬉しいことですが、選挙戦はこれからです。今まで通りの草の根運動を地道に続けていきます」と気を抜いていない。リングル候補は98年の州知事選でも、5月の世論調査ではカエタノ州副知事(当時)に14ポイントのリードを保っていたが、本選では5千票差で敗れた苦い経験があるだけに、更に気を引き締めているようだ。
 民主党勢力もひと頃の団結力を失い、強力な指導者不足が指摘されてきた。その原動力となってきた労組(ユニオン、特に公務員組合)と民主党の関係は今、決して良くない。カエタノ州知事には煮え湯を飲まされたと強く思っているHSTA(教師組合)と、民主党との関係は修復はされていない。
 カエタノ・ラインを引き継ぐヒロノ州副知事はここ数年、独自の政治理念で州知事と距離を置いてきたが、労組がどのように思っているかはまだ分からない(近々、労組も支持する候補者を公表する予定)。しかし、これまでヒロノ氏は労組を基盤に票集めをしてきた実績があり、その辺の動きが注目される。
 フランク・ファシ元市長、それにハリス現市長の選挙運動を引っ張ってきたドン・クレッグ氏(選挙運動コンサルタント)は、現段階では次のように分析する。「ハワイの有権者が38〜40%は自分は民主党員だと考えています。民主党員でなくても、強い民主党支持者だと思っています。それに比べると共和党支持者は25%です。残りの35%が特定の支持政党を持たない浮動票です。共和党支持者は微増しただけで、民主党支持層が激減したのです。その多くは浮動票に変わったのです。
 世論調査の結果は、共和党のリングル氏が50%前後の支持率を得ていますが、民主党支持者の多くが現段階で共和党候補支持に回っているので、調査結果はそのまま鵜のみに出来ないことはリングル氏が1番よく知っているでしょう」と、浮動票の3分の1を得れば、当選出来る民主党候補者と、浮動票の4分の3を抱き込まなければならない共和党候補者は、大きな荷物を背負っての闘いであると、クレッグ氏は説明する。「とにかく今年は40年ぶりに共和党政権に奪還の兆しが間近に見えている年だということは間違いないでしょう」
 予選まで4か月、本選まで6か月の道のり。候補者にはこれからが本番なのである。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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