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ワード地区開発計画、アラモアナCを所有するGGPが買い取る。

 オアフ島の最大手ショッピング・センター、アラモアナ・センターを所有するジェネラル・グロウス・プロパティーズ社(GGP社=本社:シカゴ)が、カカアコのワード地域の開発を進めるビクトリア・ワード社を2億5千万ドルで買収する仮契約に署名した。
 カカアコ再開発地区のアラモアナ通りとワード通り、クイーン通り、カマケエ通りに囲まれた65エーカー(一部ワード通りからダウンタウン側の土地も含まれている)に商業開発を進めてきたビクトリア・ワード社(VW杜)は、ファーマーズ・マーケット、ワード・ウェアハウス、スポーツ・オーソリティ、ワード・センター、ピア・ワン・インポーツ、ノードストローム・ラック、ボーダーズ・ブックス・ミュージック&カフェ、コンソリデイテッド・アミューズメントを第1期、第2期に分けて開発してきたが、第3期として、ファーマーズ・マーケットの再開発と超高層コンドミニアム(5棟)の開発を計画していた。その計画ごとGGPが買収したもの。
 ビクトリア・ワード社は、ヨーロッパからビクトリア・ロビンソンとカーチス・ワード夫妻がハワイに移住した130年前にさかのぼる。同夫妻は軽工業地区のカカアコ一帯を所有し、財団ビクトリア・ウォード社が設立されたのは1930年。同夫妻の直系一族はオールド・プランテーションと呼ばれた一角に長く住んでいたが、相続税の支払いのため、同敷地はホノルル市に接収された(現在のニール・ブレイズゼル・センター、アリーナ敷地)。
 ビクトリア・ワード社として、センター開発が急ピッチで進んだのは90年代になってからだ。「土地はあるが、カネがない」といわれてきたハワイの財団であるが、VW社も例外ではなかった。旧ビショップ財団(現カメハメハ・スクールス)同様、VW社も資金不足で開発は遅々として進展しなかった。
 3年前に国内のショッピング・センター開発投資グループのシモン・グループが、マウイ島のアレキサンダー&ボールドウィン(A&B)と合併でアラモアナ・センター買収に賭けたが、GGP社の後塵を拝することとなった。
 A&Bはその後、VW社にほこ先を変え水面下で投資の可能性を模索してきた。最近のVW社は総資産と総合計画の売却もシナリオに入れて、ニューヨーク市のスイス・バンク(投資部)に投資グループを物色してきた。
 去る4月5日の入札締め切り日前には「A&BがVW社買収か?」という情報が流れていたが、締め切り最終日に突如として、アラモアナ・センターを所有するGGP社が入札した。GGP社の入札はA&Bを上回っていた(A&Bの入札額は不明だが、ホノルル・スターブルティン紙は落札額は2億5千万ドルと報じた。現金2億ドルの他に借金5千万ドルをGGP社が肩代わりするとなっている)。VW社の35人の株主の承認を得て、最終契約は7月末日までに終わる予定。
 GGP社のVW社買収は業界でも寝耳に水だったようで、関係者は驚いている。GGP社は99年にアラモアナ・センターを日本のダイエーから、8億1千万ドルで買収したばかり。その他、ハワイ島ヒロ市のプリンス・クヒオ・プラザ(50万5千平方フィート店舗面積)を所有、全国的に39州に142のショッピング・センターを所有または管理しており、去年末の総資産は28億ドル。アラモアナの経常収支は7,620万ドルと公表されている。一方、A&Bは2度にわたり、入札でGGP社に敗れたことになる。
 GGP社のジョン・バックスバーンCEO(最高経営責任者)は、「アラモアナ・センターの市場保全のためにワードを買ったのではない。ワードはそれなりの大きな可能性を秘めている。守り、保全のための投資ではない」と買収理由を説明。GGP社はVW社との売買契約には、ワードの第3期計画の着手が含まれており、第3期計画には新たに2〜3億ドルの資金が必要だと見られている。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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