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ハワイのニュース

   

ガソリン価格訴訟は示談成立、不可解な検事総長の動き。

 ハワイの石油会社がガソリン価格を操作し、不当に利益をあげたと州検事総長事務所が20億ドルの損害賠償を求めた訴訟は、法廷外での示談成立が報じられているが、その示談への経緯、示談額が小さいことから、州検総長室への不審が浮上してきた。その示談内容は20億ドルの100分の1の2千万ドル、示談理由は立証不可能という。
 ハワイのガソリン価格は米本土の価格変動に比例しない、全く別価格で推移していた。この事実から州検事総長室ではハワイの石油産業者が価格を操作し、不当な利益をあげてきたと1990年から98年10月まで損害賠償、5億ドルの弁償を求めた訴訟を連邦地方裁に提出した。賠償額は99年には20億ドルと訂正された。当初の被告はBHP、テソロ石油、シェブロン、シェル、テキサコ、ユノカル、トスコの7社。
 7社はいずれも罪状を否認してきたが、99年にBHP、テソロの2社は1,500万ドルで原告と示談を成立させた。その後も残った5社は訴訟棄却を何度も申請したが、いずれも拒否された。
 今年1月17日の公判前日に原告と被告が急遽、示談が成立と法廷に通告したが示談内容は開示されなかった。2月27日に示談しかなかったという法廷書類の一部が公表され、次いで示談額も20億ドルの100分の1(2千万ドル)という発表まで行われた。
 原告が主張する不当な利益をどのようにしてあげたかという証拠となると、ハワイのガソリン価格が、米本土よりいつも3〜4割高い。しかも価格変動は米本土に追従していないという状況証拠しかないが、状況証拠だけでも立件できるとしていた。
 当初、原告側は石油会社の幹部職を務めていた人物の証言をあてにしていたが、実際に価格をどのようにして操作したか、談合がされたのか、文章による申し合わせはあったのかという点で、全て何もないということが解り、事務所(原告)内では、訴訟提出2か月後の12月には立件不可能という気運が流れた。
 それでも原告はこのケースを引き延ばし、途中で勝訴に自信があるかの如く、賠償額は20億ドルにハネ上げた。この辺のいきさつは今でも不明である。100分の1の2千万ドルもどう計算されたのか。それに弁護士費用だけでも1,400万ドル以上の請求がきているという。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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