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「タイムス・スーパーマーケット」が米本土の経営へ。

 日系人経営の大型店、タイムス・スーパーマーケット(13店)の売却が、1月25日決定した。新オーナーはカリフォルニア州北部でスーパーマーケット・チェーン(6店)を所有するPAQ(パック)社。売買価格は公表されていない。2月末には完了する予定で、875人の従業員は引続き雇用される。
 1949年にタイムス1号店はキング・ストリート(マッカリー近く)にオープンした。ウォーレス、アルバート照屋兄弟(2世)は、ヨーロッパ戦線で戦死した末弟・ハーマンのスーパーマーケット展開の夢を実現した(戦争が始まる前に、照屋兄弟はカピオラニ街にタイムス・グリルをオープン。家族、親戚から寄せ集めた資金で始めたグリルも、戦争で閉店を余儀なくされた。3人兄弟のうちウォーレスとハーマンは徴兵制度で百大隊に配属、ヨーロッパ戦線に送られた。ウォーレスは無事、帰国するがハーマンは戦死)。
 ウォーレスとアルバート兄弟は1949年に第1号を開けて、70年代までに13店をオアフ島に展開した。特にカハラ・モールにオープンした2号店は故・ハーマンを記念して最も近代的な店舗と高く評価された。
 野菜、肉類、穀物、缶づめ類と、98%の食材を米本土からの輸入に依存するマーケット店展開は、決して楽ではなかった。50年代から60年代にかけ、桟橋関連労組(ILWU)はことある毎にストに突入、食材の調達は困難を極めた。それでも店舗数は増えていった。今は2代目のウェイン照屋(3世)が社長を務めている。
 「タイムス・スーパーマーケットはハワイの良き時代にそれなりの成功を収めたと思います。40人の株主がおりますが、皆さんも高齢になり、これ以上の事業展開、発展は困難となりました。最近のような厳しい競争には今のタイムス陣営では難しいと、2年前から買い手を探していました」とウェイン照屋社長。健全経営を続けている時に手放すという意味では最高の潮時だと説明し、悲痛な表情は全くない。
 新経営陣はハワイの流通業界ではベテランのロジャー・ゴッドフリー氏が社長に、2人の副社長は本社PAQ社から派遣される。ゴッドフリー新社長はハワイのスーパーマーケットに食材を卸売りしてきたフレミング社のハワイ支部長を務めたあと、フードランド・スーパーマーケットの流通部長を務めた流通業界の大ベテラン。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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