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クレイジーシャツ倒産、会社更生法適用を申請。

 隆盛時には年商8千万ドルを誇っていたTシャツ・メーカーの「クレイジー・シャツ社」が9月10日倒産、連邦破産法廷に会社更生法(チャプター・イレブン)の適用を申請した。
 1964年、ホノルルで生まれたクレイジー・シャツ社は1980年代に急激に発展、90年代も順調に伸びた。93年にアイエアの砂糖工場跡を買収、本社機構を同地に移し、米本土にも進出した。97年頃から売上げにかげりが見え始め、以後は資金繰り調達が苦しい時期が続いた。
 企業税が高いハワイから米本土に本社機構を移したり、広げすぎた店舗の縮小も試みた。経営コンサルタント会社からコンサルタントを雇用し、苦境の脱出を試みたが、いずれも失敗。このままでは今年の10月か11月に倒産を余儀なくされると、9月10日に会社更正法の適用を申請したもの。
 選択肢の一つとして会社の売却を検討しており、同業のビッグ・ドッグ持株会社(本社・カリフォルニア州サンタバーバラ)に最後の賭けを試みた。クレイジー・シャツ社の負債は2,400万ドルで、債権者は1,000社を超える。倒産したクレイジー・シャツ社(44店舗、従業員533人)を、ビッグ・ドッグ社が現金1,000万ドルで買い取る計画が破産法廷に提出されている。
 担当判事は法廷審理を早めるため、他の買い手には200万ドルの保証金の積み立てと、買収価格は、1,070万ドル以上と厳しい条件をつけた。判事の目的は、10月18日に予定されている法廷審理を混乱させる興味本意のバイヤーを阻止するのが目的。
 クレイジー・シャツ社のランディ・イエーガーCEO(最高経営責任者)は、「会社を潰さないで、出来るだけ多くの店舗は運営を続け、従業員の解雇も最低限に抑えられるビッグ・ドッグ社との交渉を是非成功させたい」と語っている。
 2,400万ドルの負債に対し、1,000万ドルの現金が入ったとしても80%は、バンク・オブ・ハワイともう1社の金融機関が取り、残り1,000社余りが分割することになると、殆どの債権者への支払いはゼロに等しいと、消息筋ではみている。
 アイエアの砂糖工場跡地の買収に、バンク・オブ・ハワイから借りた4,900万ドルが命取りになったと業界筋。「資産ゼロの会社を買い取ることになる今回のケースだが、クレイジー・シャツというブランド・ネームが1,000万ドルでは、苦しい運営を強いられることになるだろう」と業界通は予想する。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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