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ハワイのニュース

   

ハワイ観光業は過去最大のピンチ。

 ニューヨーク、ワシントンの同時多発テロ(9月11日)事件以来、ハワイ経済のダメージは日増しに悪化している。
 今回のテロ事件で長距離旅客機がテロの道具として利用されたことで、FAA(連邦航空管理局)は国内の空港での警備を強化し、最高の警戒体制を施行した。空の旅の利用者は激減し、航空会社は経営難を余儀なくされ、国に250億ドルの航空業界補助金を要求した。国会は400億ドルの補助支援金を緊急立法用としている。
 観光客の搬送を航空業界に依存するハワイ観光業界は直ちにダメージを受けた。航空便の削減による観光客の激減はハワイのホテル、レストラン、運送業と広範囲にダメージを与えている。
 ホテルは軒並みに予約数が半減し、稼働率は50%台を大幅にカット。9月19日現在で、ホテル業界はすでに1,200人の従業員削減に踏み切っており、順次2〜3割の削減が実施されるという。ホテル内のレストランは週7日営業が普通だが、週5日制に転じるレストランが続出するという。とすればレストランでも人員削減は当然行われる。
 オプショナル・ツアーにも当然影響し、観光バス、タクシー業界にも影響が出てくる。
 ハワイ経済の25%を担う観光業が受ける打撃は甚大で、現段階では誰も予想し難いという。物理的な被害を受けたニューヨーク、ワシントンへの国の助成金支出は速やかに進んでいる。ハワイのようにテロ行為の後遺症で受ける経済的ダメージの助成金を国に依存することは難しい。自力で切り抜けるしかない。
 ハワイ共和党指導者はその点について、「カエタノ州知事は直ちにワシントンに飛び、国に陳情すべきだ」と主張する。フロリダ、カリフォルニアに次いでハワイは観光業依存度が高い。今回の後遺症は全く見当がつかないが、国からの助成金が出るという情報だけでも、業界や州民に与える影響は大きい。そのためには州知事のワシントン陳情が必要だ、とリンダ・リングル共和党ハワイ支部委員長は強調する。
 共和党指導者の中にはこの際、臨時州議会を開いて、消費税4%を2%に引き下げるべきだ。消費税の削減は消費活動を活発にし、ハワイ経済に大きなプラスとなるとも提案している。
 しかし、この消費税削減案には反対意見もある。ローウェル・カラパ事務局長(ハワイ税制評議財団=非営利)は、「ハワイ州の税収入を見直す州歳入評議会の緊急会議の召集が必要だ。しかし、消費税の減税はハワイ経済の活性化にはならない」とコメントしている。
 ハワイ−日本間に1日十数便の定期便を運航している日本航空ホノルル支店のギルバート木村販売部長は、「事件後、空港が閉鎖された時はどうなることかと思っていました」と語った。日航は9月17日から1日10便前後のフライトを就航させているが、客数は増えている。19日には1,200人余りの客で平常の3分の1以下だか、増加傾向にあるとも言う。「日航は日本の地方都市(札幌、仙台、新潟、広島、福岡)から、週3便のハワイ直行便を飛ばしています。この地方からの便は、客がどんなに少なくても運航します。仙台からの便で、客数は7人ということがありました。東京からの便なら数本ありますから少ない客の便のキャンセルも出来るのですが、地方便はそうはいかないから苦しいです」と、事件1週間後の客数と日本航空の事情を説明している。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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