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ハナウマ湾の非居住者への入場料、差別だと米本土客が提訴。

 ハナウマ湾自然公園の入園に、非居住者から5ドル徴収していいのか。これは合衆国憲法の基本的人権に抵触すると、米大陸からの観光客がホノルル市郡政府をホノルルの連邦地裁に提訴した。
 同提訴は大衆が自由に出入り、利用できる筈のビーチを非居住者(州外の米国人を含む)だけから入場料を徴収することは、米国人の基本的人権を差別することになる。同行為を速やかに停止し、すでに集めた金はビーチ保全費用に友好的に利用すべきだと、カリフォルニア州の住民、キャロル・デ・リーさんが起こしたもの。
 告訴人の弁護士ジェームス・ビカートン氏は、「デ・リーさんは同提訴の発起人で、ケースは集団訴訟である。一般大衆にはビーチへの立入り権は基本的人権として憲法で保証されている。ハナウマ湾の場合には、明らかに州外の米国人を差別したことになる。同行為を放置しておくと州内の他のビーチもハナウマ湾同様に差別料金を課すことになり、差別は更に広がる」と訴訟の内容を説明し、更に、「課税措置とか、利用料を市が徴収する場合には、州議会の許可が必要と州憲章に明記されている。ホノルル市郡政府は同章にも違反している」とつけ加えた。
 これに対し、デービッド・アラカワ市郡政府顧問弁護士は、「ハナウマ湾の有料化は1997年の市議会が承認した。同湾内の珊瑚礁がビーチ利用者により、全滅の危機に瀕していた。湾内の自然を保護するため、利用者を制限することが唯一の改善策となり、有料化を取り入れた。初めは非居住者が5ドル、居住者は1ドルの入場料を採用したが、市民の苦情で居住者の料金見直しが行われ、現在の1ドルの駐車料金のみとなった。政府の意向は金儲けが目的ではない。同地に建設中の教育センター(総工費1060万ドル)の維持費を賄うためにも当然の料金徴収だ」と弁護する。
 ハナウマ湾利用者は年間で100万人を超えている。そのうち、85%は非居住者で、年間にすると260〜300万ドルの収入になっている。すでに1000万ドル以上を集めている。
 もし原告が勝訴すれば、有料化はなくなる。基本的人権は外国人にも適用されるので、日本人客等も無料になる。建設中の教育センターの維持費はどうなるのか。市郡政府が敗訴するとなると、より大きな負担を抱えることになる。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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