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ハワイのニュース

   

正看護婦不足が深刻化。

 ハワイの看護婦業界で再度、人手不足が顕著となり、病院側を慌てさせている。
 ハワイの正看護婦(RN)の数は9千人という。ハワイ看護婦学校を卒業する数はここ数年、280人前後。毎年120人の正看護婦不足だ。9千人の正看護婦は向こう20年後には約半数が引退する。正看護婦の平均年齢は20年前では37.9歳だったが、今では43歳を超えた。20年後には半数が引退するという現実はどうしようもない事実だ。
 10年前に起きた正看護婦不足は、ハワイの正看護婦が給与と労働条件が優れる米本土に多くが移住したことが大きな理由であった。今回は、そもそも絶対数が不足している上に正看護婦年齢の高齢化である。年間400人の看護婦学校卒業生を待っている病院等医療機関に対し、実際に卒業する正看護婦は280人前後である。
 長年に渡る正看護婦不足に対して、これまでは臨時看護婦で補ってきた。ハワイの正看護婦の待遇も米本土並みになったことから、米本土で流れ看護婦を斡旋する事務所に不足分を補ってもらってきた。臨時看護婦は正看護婦として充分な経験、技術、知識を持っている即戦力となり得るし、3か月から6か月という短期雇用で充分なところから、医療機関には都合が良かった。
 新しい正看護婦の確保が現状では不足しているということから、クイーンズ病院では正看護婦の養成を手がけるという。年内に手持ちの臨時正看護婦を整理して、若い正看護婦を自らの院内で育てるという。看護婦学校が充分な卒業生を教育しない限り、正看護婦不足はすぐそこまできている。
 「海外からの移住者で、正看護婦のライセンスを取得している人は即、看護婦業に従事できるような道も検討されているんです」(病院関係者談)。看護婦志望者の絶対数が少ないという問題が解決されない限り、これからも臨時看護婦が重要な役割を占めることになる。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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