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日本人観光客の志向を探るパネル会議開催。

 ハワイ観光業の継続した発展を推持するためには何をすべきかというパネル会議が3月中旬ワイキキで開かれた。観光客層の分析購買志向の把握、クルーズ産業への対応遅れ等を各業界の代表者が指摘した。
 「米本土の景気の陰りは、今後のハワイ観光等へ与える客足の影響は大きいが、小売業界に与える影響はさほど心配する事はない。ハワイの観光小売業は日本人客に依存してきた。日本人客は何でも買ってくれるという傾向は終った。日本人は世界のトレンドに敏感である。世界のトレンドをハワイでも買えるという時代の流れを先取りするイニシアティブが必要だ。その為には日本人客層の的確な分析が不可欠だ」と、リテイル・ストラテジィ社(小売関係コンサルタント)のダグ・スモイヤー社長は強調した。
 また、「日本人の分析は非常に難しい。文化、社会、宗教、思想と全てを総合し的確な分析が必要だ。今、彼等は何を求めているのか、次に何を求めるだろうか、と売れる商品に結びつけるのは至難の技だ」と付け加た。
 「日本人の商品選択の目はこえている。高品質で手頃な値段という商品が少ない。だからブランド物を買う。盲点はその辺にある」とシャロン・ワイナー副社長(DFSギャラリア)は言う。
 「ワイキキは飽和状態です。ホテルと小売店が並んでいます。観光客が求めるもう一つの分野、エンターテインメントが不足しています。ラスベガス式のエンターテインメント導入がベストですが、ワイキキにはそのスペースがありません。ワイキキは買物だけを観光客に押し付けています。この辺の手直しをしないと先行きが心配です。DFSギャラリアは水族館の中を歩きながら買物を楽しんでもらおうと努力しました」と、ワイナー副社長は観光客の夜の対応を提言した。
 テイラー・コンサルティングのクリント・テイラー社長は、クルージング業界への対応の遅れを指摘した。
 「ハワイのクルージング業界はこれから3倍にも4倍にも伸びるでしょう。それなのに州政府や観光業界のクルージング業界への対応が遅いです。クルーザーが接岸するポート施設の再整備は遅々として進んでいません。すでに3年前に港湾施設の再整備には少なくとも8千万ドルが必要とする調査報告書が提出されています。今までに計上された費用は僅かに2千5百万ドルです。ホテル業界などではクルージング業界を敵対視する傾向がありますが、それは間違っています。ホテル業界にも航空業界にも、小売業界にも大きなビジネスとして繋がります」と、テイラー社長は苦言を呈した。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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