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ハワイ州議会、1月17日に開会。重要案件が山積。


 ハワイ州議会が1月17日開幕した。州上院の政党別議席は民主党が22議席、共和党は3議席と従来と変わっていない。州下院は民主党が39議席から32議席と大幅に減り、共和党は12議席から19議席に増加、2年後の選挙での共和党の巻き返しに弾みをつけた。一方、民主党は3分の2以上という議席を切ったものの、依然大多数を占めている。
 今年の州議会は今年7月1日から向こう2年間の州予算を決める重要な意義を持っている。カエタノ州知事(民)にとっても最後の予算案の提出である。

 絶対多数を誇る上院の民主党は、ロバート・ブンタ新議長下で結束を進めてきたが、まだ固まっていない。ここ数年の州議会に対して州民の評価は低いが、それも州上院議員の公務員組合との強い癒着に帰することが多い。
 今年の政策会議がスムーズに進行しなかったのも、2年前から上院議員になった6人と、今年の2人のルーキー議員を巡る数あわせに要因がある。従来の主流派と呼ばれたグループが指導者を失い、反主流派にいたグループがブンタ議員を議長に押し上げた。新人グループの色分けは終わっていないため、ハナブサ上議の下に固まっている状況で、政策が確立しないまま本会議が始まった。一方の下院はすっかり落ち着いたキャルビン・セイ議長の下に民主党議員が結集している。民主党議員による政策会議も次の諸点が最重要とまとめている。
 @ 教育関連法案の整備
 A 食品、薬品、家賃の税控除
 B 州最低時給の引き上げ
 C ハイテク、IT(情報技術)産業の育成
 D シルバー・エイジ関連法案
 E 中・長期介護プロジェクトの実施
 F 州刑務所を民間に委託
 今年になって、英字紙のスターブルティンが行った世論調査で、州議会に期待すると応えた市民は43%ずつで2分している。この辺りの市民評価を大きく変えるためにも、市民が納得するような法案審議を行うことが必要で、「閉会が近づき、重要案件が充分審議されない間に、不透明な中に終わるというお粗末な会議はもうたくさんだと州民は思っている」とある政界通は説明する。
 大きくふくらむ教育予算、6億ドルを超える公立施設の改修工事、公務員組合の昇給、刑務所の民営化、州と地方自治体の重複業務の解消と、抱えている課題は毎年ほとんど変わらないという実態が続いている。
 セイ下院議長は「約束ごとは約束ごとで、政府は守らなければならない。公務員昇給も現行法と規制下でまとまった昇給なら政府には払う義務がある」と、公務員組合が調停パネルから勝ち取った14.5%(HGEAホワイト・カラー2万2千人)、19%(HSTA教師組合1万2千人)の昇給は当然、払うべきだと言う。
 これに対し、カエタノ州知事は「歳入源は? どこにそんな金がころがっているんだ」と否定している。税収入は好調だが、組合の要求額は払えないと言う州知事。妥当案を見いだすにはまだ時間がかかるようである。


協力:イースト・ウェスト・ジャーナル 
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