サトウキビ列車
SUGAR CANE TRAIN

サトウキビ列車

今日のハワイは観光の島であり、軍事の島だが、かつてのハワイはプランテーションの島で、どの島にも広大なサトウキビ畑が広がっていた。当時のサトウキビ産業では、現在のような大型機械が使われておらず、日本を始め世界各地から渡ってきた移民が労働力を担っていた。その労働者を畑まで運び、収穫したサトウキビを輸送するのに活躍したのが鉄道であった。その後、トラック輸送が主流になるにつれ、姿を消していったサトウキビ列車であるが、マウイ島のラハイナ-カアナパリ間では今でも観光用の列車が走っている。

おとぎ列車のような客車に乗り込み、蒸気機関車の汽笛の合図で発車すると、列車はサトウキビ畑の中をのんびりと走っていく。途中、マウイの青い海を眺めたり、カアナパリ・リゾートのゴルフコースの中を抜けたりと沿線にアクセントがあるものの、鮮やかな黄緑色のサトウキビ畑を両側に見ながら、爽やかなハワイの風を感じる長閑な時間がこの列車の醍醐味である。

(Lahaina, Maui)