ラパーツ アイスクリーム
LAPPERT'S ICE CREAM

カウアイ島ラパーツ アイスクリーム

「良いものは必ず売れる」 これは日本橋のとある老舗の創業者のことばだ。シンプルなことばであるが、優れた製品を世に送り出すことに情熱を傾けていた故人の信念を窺い知ることができる。所変わってハワイ、かの創業者のことばは万国共通の理のようである。

ラパーツという名のアイスクリームショップがある。ハンチング帽をかぶった老紳士が目印の黄色い看板の店だ。ヒルトンハワイアンビレッジなどにも出店しているので、ここのアイスクリームのファンになっている日本人も多いと思う。

ウォルター・ラパートさんがカウアイ島のハナペペという町で、小さなアイスクリームショップを始めたのは1983年12月のことであった。彼は65才。リタイアしアイスクリームでも売りながらのんびりと余生を送ろうと考えていたのかもしれない。

しかし、彼の作るアイスクリームは特別だった。乳脂肪が18%近くもある濃厚なもので、パパイヤ、グアバ、パイナップル、マンゴ、ライチ、ココナツ、マカデミアナッツ、コーヒーなど地元で採れる新鮮な天然素材を惜しみなく使い、数多くのオリジナル・フレーバーを創りだした。ラパーツ・アイスクリームの評判は瞬く間に広がり、人気ブランドになるのに時間はかからなかった。

その後、ラパーツ・アイスクリームはカウアイ島から他のハワイ諸島に広がり、今ではカリフォルニアやネバダでもポピュラーになっている。ウォルターさんにしてみれば、引退後にビジネスの黄金時代を迎えるという嬉しい誤算となったわけだ。

ローカルな場所であっても、良いものを作り続ける限り、お客さんはついてくるはずだ。ハワイのどこかの町から、次のラパーツが現れることを期待したい。

(Koloa, Kauai)