日本帰国時の入国手続きと税関検査

飛行機が日本の空港に到着したら

飛行機が日本の空港に着陸し地上走行でゲートまで移動して完全に停止すると、シートベルト着用サインが消えて降機の機内アナウンスがあります。座席のポケットやシートの隙間などに忘れ物がないか確認し、オーバーヘッドビン(座席上部の荷物入れ)から荷物を取り出します。オーバーヘッドビンを開ける際は、飛行中に荷物が移動して落下してくることもありますので注意して開けましょう。飛行機を降りる際は譲り合って進みましょう。機外に出たら「到着(Arrival)」のサインに沿って進みます。

スマホや携帯電話など電波を発生する電子機器は、飛行機がタキシング(地上走行)に移ったら機内モードを解除しても構いません。

成田空港第1ターミナル
成田空港

検疫

「到着」のサインに沿って進むと検疫カウンターがありますが、通常はカウンターに係官はいません。アフリカなど検疫感染症流行地域からの帰国者には機内で検疫質問票が配られ、それに記入して提出することになっていますが、ハワイは該当地域ではないのでそのままカウンターを通過してかまいません。

但し、ハワイではデング熱やレプトスピラ症(ワイル病)などの感染症の発生事例が確認されていますので、滞在中に蚊に刺されたり、ジャングルの川や渓谷で水に触れた後に発熱や体調異変があった場合は、検疫官に申し出てください。

ハワイのジャングルの滝と川
デング熱を媒介する蚊や水の中のバクテリアに注意

入国審査

入国審査では「日本人」と表示してあるカウンターの列に並びます。列の前の人の審査が終了するまで赤い線のところで待機し、自分の順番になったら係官にパスポートを提示します。通常は特に質問されることもなく帰国のスタンプが押されますので、パスポートを受け取ってバゲージクレーム(預け入れ荷物受け取り)に進みます。以前あった日本人の出入国記録カードは廃止されています。

日本人の入国(帰国)の列は混んでいることは少ないのですが、もし混雑している場合は自動化ゲートを利用することもできます。自動化ゲートが利用できるのは、成田空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港で、事前の登録が必要です。

また、2017年10月から羽田空港で顔認証ゲートの運用が始まりました。利用できるのは日本に帰国する日本人で、IC旅券を持っていること、1人で機械の操作ができること、身長135cm以上であることのすべて満たす場合です。顔認証ゲートは事前の登録が不要で、ICチップ内の顔写真のデータとゲートのカメラで撮影された顔写真のデータを照合して本人確認するものです。今後、他の空港にも設置される予定です。

自動化ゲート登録済みスタンプ
自動化ゲートの登録をするとパスポートの最終ページにスタンプが押されます

預け入れ荷物の受け取り

入国審査が済んだら「バゲージクレーム(Baggage Claim)」で預け入れ荷物を受け取ります。国内線に乗り継ぎがある方もいったん荷物を受け取って税関検査を受けることになります。荷物が出てくるカルーセル(ターンテーブル)の番号は、場内の案内ディスプレイに航空会社名、出発地、フライトナンバーとともに表示されています。荷物の多い方や重い荷物のある方は、あらかじめ荷物用カートを用意して待つといいでしょう。カートはあまり前に出すと、他の方の荷物のピックアップの邪魔になるので所定のラインから前に出ないように注意しましょう。

ハワイの空港で預けた荷物が出てこない場合やスーツケースが壊れているなど破損が見られる場合は、利用した航空会社の地上スタッフに申告して対応してもらいます。何らかの事情で荷物が積み込まれなかった場合は、後(翌日)のフライトで到着することになります。破損の場合は、航空会社で補償すべき範囲のものはその処理が行われ、そうでない場合は保険で対応できるような書類を作成してくれます。

空港のバゲージクレーム
バゲージクレーム(イメージ)

植物検疫・動物検疫

ハワイから植物や農産物、肉製品などを持ち帰った場合は、税関検査の前に植物・動物検疫カウンターで輸入検査を受けます。これらの検疫は、海外からの病害虫や寄生植物等の日本への侵入を防ぐために行われているものです。

プルメリア、バードオブパラダイス、ティーリーフ、アンセリウムなど草花の切り花(レイなどの加工品含む)、苗木、種子、球根やパパイヤ、マンゴー、パイナップルなどの果物はすべて植物検疫の対象となり、植物検疫証明書または検査証明書(Phytosanitary Certificate)のないものは日本国内に持ち込むことができません。また、肉類(生肉及びハム、ソーセージ、ビーフジャーキーなどの加工品)は原則として、日本国内に持ち込むことができません。バゲージクレームには肉類探知犬が巡回しているので、スーツケースの奥に肉類を隠していても発見されます。

ハワイ産のパパイヤ
スーパーのパパイヤは安くて美味しいけど、検疫証明がありません

税関検査

預け入れ荷物を受け取り、植物・動物検疫(該当者のみ)を済ませると、次は税関検査です。帰りの機内で配布された「携帯品・別送品申告書」(税関申告書)が1家族につき1枚必要です。携帯品・別送品申告書はバゲージクレームにも置いてありますので、機内で受け取れなかった場合はバゲージクレームで入手して記入します。

税関検査ではハワイで購入した物品のほか、プレゼントされたり預かったものも申告の対象となります。税関検査は「免税」が緑のレーン、「課税」が赤のレーンと色分けされていますので、申告内容によって赤か緑のレーンに進みます。免税のレーンに進んだ場合は、パスポートをチェックされて簡単な質問をされる程度ですが、スーツケースを開けて確認されることもあります。免税範囲を超えているかどうかわからない場合は、課税のレーンに進みます。ハワイで購入した品物の領収書やカード利用控えなどを帰国前にまとめて保管しておくと、税関職員とのやり取りがスムーズに進んで便利です。日本入国時の免税範囲は次の通りです。免税範囲を超えていて納付する税金がある場合は、税関検査場内の窓口(銀行)で納付します。

酒類
1本760ml換算で3本
紙巻タバコ
日本製200本、外国製200本
2018年10月からは合わせて400本、2021年10月からは合わせて200本
葉巻タバコ
日本製50本、外国製50本
2018年10月からは合わせて100本、2021年10月からは合わせて50本
その他のタバコ
日本製250g、外国製250g
2018年10月からは合わせて500g、2021年10月からは合わせて250g
加熱式タバコ
2018年10月から紙巻タバコ400本に該当する数量
香水
2オンス(約28ml)
オーデコロン、オードトワレは含まれません
その他の物品
海外市価の合計額20万円

税関検査では、麻薬、銃器、知的財産権を侵害するコピー商品(ブランドの模造品)など輸入が規制されているものや禁止されているもののチェックも行われます。これらのものが発見されると処罰されたり拘留されることもありますので、持ち込みは止めましょう。

別送品がある方は「携帯品・別送品申告書」を2通作成し、税関検査で提出します。2通のうち1通に税関が確認印を押して返してくれますので、大切に保管しておきます。確認印が押された申告書は、別送品受け取りの際の税関手続きで必要となります。

携帯品・別送品申告書
携帯品・別送品申告書(これは英語版です)

到着ロビーへ

税関検査が終了すると到着ロビーに出ます。ここまでで入国に関する手続きはすべて終了です。公共交通機関で帰宅される方、国内線に乗り継ぎのある方、お迎えのある方などそれぞれお気をつけてお帰りください。空港から宅配便で荷物を送る場合は、到着ロビーの一角に宅配会社のカウンターがあります。WiFiルーターや海外用の携帯電話を空港で返却することになっている方は、忘れずに返却カウンターに寄りましょう。余ったUSドルのコインを電子マネーや各種ポイントに交換できる端末(ポケットチェンジやトラベラーズボックス)は、各空港に設置されています。

成田空港第1ターミナル南ウイング到着ロビー
成田空港第1ターミナルの到着ロビー
成田空港の宅配便カウンター
成田空港の宅配便カウンター

ハワイ旅行の準備 関連情報

出発から帰国まで 関連情報