スリーピングジャイアント
SLEEPING GIANT

カウアイ島スリーピングジャイアント

古くから洋の東西を問わず、山や岩には本来の名称とは異なる通称が付けられてきた。日本でいえば、形が猿に似ている猿岩であったり、象が寝そべったようなシルエットの象山などがその例だ。

カウアイ島には、スリーピングジャイアントがあった。眠れる巨人である。ノウノウ山という名前の山の稜線が、眠っている大男のように見えるのだ。写真左側の一番高いところが頭で、右方向に胸から足が広がっている。このスリーピングジャイアント、北米ではポピュラーな存在で、ネットで検索するとコネチカットやオンタリオのものなど多数が出てくる。

そして、日本の昔話と同じように、このスリーピングジャイアントにまつわる伝説も存在する。ハワイでは有名な小人の妖精・メネフネが、この大男と仲良しであったそうだ。ある日、オアフ島からメネフネの敵が攻め込んできたのだが、メネフネ達は大男の力を借りようとし、石を投げて大男を起こそうとしたという。ところが、大男はいつまでも起きず、大男に当たって跳ね返った石が敵に当たり、敵を滅ぼしたそうだ。気がついてみると、大男もまた多数の石に当たって息絶えていた。以来、この地に眠り続けているのだという。

他にもいくつかの違ったストーリーがあるそうだが、そういった逸話を聞きながらハワイの景色を楽しむのもまた興味深いものである。

(Waipouli, Kauai)