メリマンズ
MERRIMAN'S

ハワイ島ワイメアのメリマンズ

瀟洒なリゾートが並ぶコハラコーストから一転して長閑な牧草地帯を上っていくと、カムエラの町に辿り着く。カムエラはパーカー牧場を中心としたパニオロ(カウボーイ)の町で、牧歌的な雰囲気が漂っている。町の入口から間もないところにある板張りの建物がピーター メリマンの店「メリマンズ」である。

ピーター・メリマンはハワイ・リージョナル・キュイジーヌの代表的なシェフだ。ハワイ リージョナル キュイジーヌといえば今でこそポピュラーなものとなっているが、90年代始めにはそのスタイルは確立されていなかった。メリマンをはじめ、ロイ ヤマグチ、アラン ウォン、ジャン マリー ジョセリンらによってそのコンセプトが固められ、東洋と西洋が交わる場所としてのハワイの特性を、素材や調理法において生かしながら、その地位を築き上げてきたのである。

閑話休題、他のシェフが次々に支店をオープンしたり、メインランドや日本に進出している中で、カムエラの地を本拠としているメリマンには非常に好感が持てる。長閑なビッグアイランドの田舎町で、地元産の野菜や牛肉、近海で採れたシーフードを素材にハワイらしい料理をハワイらしく振る舞ってこそ、ハワイ リージョナル キュイジーヌではないかという気がする。

(Kamuela, Big Island)