裏ハレアカラ
HALEAKALA BACK SIDE

裏ハレアカラ

子供の頃、10円玉の表と裏をめぐって、友人と言い争ったことがある。財務省造幣局によれば、年銘が記されている側が裏だということだ。だが、それがどうしたというのだ。どちらが表でどちらが裏であっても、それはどうでもいいことだ。それが10円玉であることに変わりはない。

日本海側を裏日本と呼ぶ人がいた。裏と言われると、どうしても暗くて湿ったイメージがつきまとう。しかし、それは多くの人にとってたまたま都合の良い便宜上の呼び方であって、裏が表になることもありうることだ。事実、遣唐使の時代には日本海側が表であった。

ハレアカラも然り。山の西側から見られることが圧倒的に多いこの休火山は、カフルイ側がいわゆる表である。これに対して、裏ハレアカラという呼び方が存在する。そう、反対側から見たハレアカラだ。ところが、ここでは裏の方が晴天率が高く、太陽が燦々と降り注いでいる。手つかずの自然があるのみで、見るからに雄大な景色が広がっている。裏も表もない、ハレアカラのハレアカラたる所以である。

(Kaupo, Maui)