フジオカ スーパーマーケット
FUJIOKA SUPERMARKET

フジオカ スーパーマーケット

ホノルルの喧噪を離れてノースショアに向かったり、ネイバーアイランドを走っていたりすると、このような店によく出会う。たしかにスーパーマーケットなのだが、いわゆるセイフウェイとかフードランドといったメインランドからやってきたアメリカ的スーパーマーケットとは趣が異なり、田舎の雑貨屋を大きくしたような雰囲気である。そして「ハセガワ」とか「ミヤザキ」とか日本の名前が付いていることが多い。日本からハワイに渡った移民やその子孫が始めた店なのである。

1885年に日本からハワイへの移民が盛んになると、多くの日本人が夢を求めて新天地に移り住んだ。しかし、そのほとんどがサトウキビ・プランテーションでの苛酷な労働に明け暮れる毎日であった。やがて、異国の地での苦難に耐えながらも、プランテーションを脱して日本人コミュニティ内での商店を始めるものが現れた。ハワイにおける日系社会のはじまりであり、日系人が現在の地位を築く礎でもあった。

当時から続くこれらの店は、オールド・ハワイの歴史を感じさせてくれるとともに、ノスタルジックな雰囲気が漂っている。そして何よりもハワイの青空がよく似合う。

(Haleiwa, Oahu)